2012年7月16日月曜日

月と金星と木星と一等星

SKA建設地決定のニュースの詳細を書くと書いて一か月書いていませんでしたが、その前に今朝の衛星惑星一等星会合の写真が撮れたので、そちらをご紹介します。

月と金星、木星、アルデバラン
(2012.07.16 午前3:30頃.、Canon EOS Kiss X3 + Canon EFS 18-135mm、1.6秒露出、ISO 800、f/5.6)
月が昇ってくるときには東側は雲に覆われていて、月の位置がなんとかわかるくらいでした。が、時間がたつにつれて月は雲の薄い部分に昇っていき、同時に木星や金星も見え始めました。午前3時30分くらいに撮影したのが上の写真です。おぼろに輝く月齢26の細い月、その右に見えるのが-4.5等の金星、上にあるのが-2.1等の木星、金星の少し右には、おうし座の顔の位置にあるアルデバラン(0.9等)も写っています。薄雲のせいもありますが、一等星をはるかにしのぐ明るさの天体がこれだけの範囲に集合するというのは見ごたえがあります。

見ごたえは、この4つの天体までの距離を比べてみるとさらに増すかもしれません。
  • 地球 - 月: 40万 km
  • 地球 - 金星:0.47天文単位 (7000万 km)
  • 地球 - 木星:5.66天文単位 (8億4700万 km)
  • 地球 - アルデバラン:65.1光年 (62京 km)
その距離差は実に15億倍。太陽系の成り立ちを考えると、ある程度の必然性を持って金星と木星はほぼ同じ軌道面をまわっているし月の軌道面もそれに近いので、こうやって並ぶのがものすごい偶然、というわけではないのですが、それでもこうやって並んで見えるのは面白いですね。

朝焼けの中の月と金星
(2012.07.16 午前4:10.、Canon EOS Kiss X3 + Canon EFS 18-135mm、1/30秒露出、ISO 800、f/4.5)
 夜が明けてくると、きれいな朝焼けも見ることができました。日中は暑くなりましたが、この時間はまだ気持ちの良い朝でした。


(等級と距離はすべて、ステラナビゲータ9による)